高校生は学校や塾でたくさんの全国模試を受験します。それによって学校内や全国での立ち位置、志望校の合格可能性判定を知ることができます。夏休み中に受験を予定している人もいることと思います。また、夏休み前に受験した模試は、夏休み明けに返却されることが多いです。今回のブログでは、模試の問題そのものや、模試の成績表から得られる情報を活用して、実力アップに役立てる方法をお伝えします。
section1 模試を受験する前に
模試を受験する姿勢
定期テストと模試では、取り組み方が異なります。自分の中に「確実に解ける問題」を蓄えておき、それを当日に解く点では定期テストも同じです。しかし、模試は範囲が定期テストより圧倒的に広く設定されています。よって、的を絞ったピンポイントの対策では歯が立ちません。だからこそ、模試には長期的な準備が必要です。また、定期テストの前には部活が休みになったり、課外授業が無くなったりする高校もあり、学校全体でテストに向かう雰囲気になりますが、模試は必ずしもそうではありません。普段の授業があり、部活がある中なので、まとまった時間を取るのは難しいでしょう。だからこそ、模試では自分で学習を進める計画性・継続力が試されます。
できることを探す
模試を通して確認してほしいことは、以下の2点です。
①解けるべき問題が解けたか
②これから復習しないといけない部分は何か
詳しくはsection2で述べますが、模試を役立てるために準備段階で行ってほしいことがあります。それは「①解けるべき問題が解けたか」に関連して、「解けるべき問題」とは何かを知っておくこと。つまり、自分ができることは何かを分かっておくことです。模試に向けて全範囲を満足いくまで復習して臨める人はそう多くありません。少なくともこれだけは解く!と自信を持てる部分を探しておきましょう。それがあると、当日の振り返りの質が段違いに上がります。
section2 模試の問題活用法
模試終了後には、できる限り復習を行います。自分の現在の到達度によっては、全部の問題をすぐに解けるようになるのは難しいかもしれませんから、学校や塾の先生に、最優先で復習すべき問題がどれかを相談するのもよいでしょう。
どこを復習するか
優先的に復習したいのは、できるはずだったのに、解けそうで解けなかった問題です。手順を忘れていたり、計算ミスをしたり、単語をど忘れしていたり、原因はいろいろですが、答えを出し切れなかった点では大いに反省が必要です。そういう問題は、全く理解できていないわけではないので、自分のものになるまであと一歩です。まずはこれを確実にできる状態にすることで、効率よく力を伸ばしていけます。
惜しかった問題のチェックが終わったら、手が出なかった問題や、それを含む単元の克服に取り組んでいきます。出題されたその一問に限らず、基本からのおさらいが必要な場合は、次の模試に向けた長期的な計画を作成します。
復習のタイミングは
準備をしっかりしていればいるほど、自分の出来ばえが気になるものです。解答をもらってすぐ、記憶が新鮮なうちに自分の解答が合っているかどうかを確認しましょう。そして、もう一歩惜しかった問題を完全に自分のものにするには、解説を読んで納得するだけでなく、実際に手を動かして自分で解くという工程を省かないようにしましょう。悩まず答えにたどり着けることが復習のゴールだとすると、そのタイミングは①終わった直後②1週間後③成績返却時(約1~2か月後)くらいが目安です。できる状態をキープするには、記憶をメンテナンスして、さび付かないようにしないといけませんし、成績表が返ってきて、どんな問題だったっけ?と思い返すときに、もう一度解いてみるのがよいでしょう。
次の模試に向けて
もちろん、模試で出題されたその一問が解けるようになることは大切ですが、その一問の裏には膨大な「今回は出題されなかったもの」があります。模試の最中に、ここは全体的に弱いな、そういえばそんな単元もあったな、と思った部分を埋めていく作業が模試を起点に始まります。模試対策は長期戦と肝に銘じ、部活や定期テストなどの合間を縫って取り組みます。一度の模試で出題できる問題には限りがあります。模試の受験回数を重ねることによって、より多くの問題に触れることができるため、毎回の模試を大切にしたいものです。
section3 模試の成績表活用法
学年にもよりますが、返却される模試の成績表には「志望校合格可能性判定」が記載されていることが多いです。模試を受験する理由の一つは、自分の立ち位置を知ることですから、しっかり結果と向き合いたいものです。そして、この他にも、成績表からわかることはたくさんあるので、判定の良し悪しだけを見て終わりにせず、たっぷり活用しましょう。
大問別得点・平均点
科目ごとの得点だけでなく、もっと細分化して大問ごとの得点も必ず見ておきます。自分の得点と全国平均点を見比べて、平均点が高いのに自分は得点できていない部分があったら、そこは自分の弱点であり、取りこぼしている部分と言えます。模試終了直後の手応えに加え、実際の採点結果に基づいて反省をしましょう。また、自分が周りより得点できている部分を発見できたら、自信にもつながりますね。
目標到達まであと何点だったか
模試によっては、「合格可能性〇%まであと△点だった」という風に、目安となる得点を示していることがあります。この得点と自分の答案を見比べて、ここであと□点取るべきだった、ここがもったいなかった、と具体的な反省ができます。1問1問の得点の積み重ねで偏差値や合格可能性判定は決まります。高3生は特に、取りこぼしを作らない意識を強め、志望校合格に向けて丁寧に学習をしていきましょう。高1・2年生は、まだ志望校に対しての意識はそこまで強くないかもしれません。その場合は学校内順位にこだわってみるとか(学校の先生に校内〇位だったら何点くらい取ったらよかったですかと聞いてみる)、自分なりの目標設定をしておくといいでしょう。
おわりに
自分が強化したところが出題されるかどうかはその時の運によります。ですが、自信がある部分が多い人ほどヒットの可能性は当然上がります。運も実力のうちとは、まさにその通り。模試は日頃の計画性、復習の効果がよく現れます。定期テストはできるけれど、模試になるとできない…という人、前にも述べましたが、模試の準備は長期戦です。定期テストでできた・できていたことが時間を空けて模試でもできるかどうかが試されています。勉強の取り組み方を再点検して、ぜひ頑張ってください。